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現代最高のフラメンコダンサーと競演 (奄美新聞)

http://amamishimbun.co.jp/2019/02/21/16537/?fbclid=IwAR1y4IV5nExNdIuvnpDzWEvXQuk-JXEfI74Qj7HQP8fLkWEy-HTS9TtFjBE

(奄美新聞)

現代最高のフラメンコダンサーと競演
自身の西郷どんテーマ曲に感涙
フランスのマスコミで大絶賛された声

【東京】大河ドラマ「西郷どん」のオープニングテーマ曲を歌った里アンナさんが、現代最高のフラメンコダンサーの一人、エバ・ジェルバブエナと、東京でこの3月に競演を果たすことになった。「現代フラメンコの女王」と「奄美民謡の女王」のコラボレーションだ。一段と大きなステージで輝くことになったアンナさんに、「西郷どん」のエピソードなどとともに抱負を伺った。(文=高田賢一、写真=屋宮秀美)

「あらためて奄美の素晴らしさを知りましたね。『西郷どん』に関わることができて、とても幸せでした」。アンナさんは、そう目を輝かせて振り返る。「レ・ミゼ(レ・ミゼラブル)などで舞台を体験させていただいてますし、奄美民謡は本職ですが、大河ドラマは、全く別物でしたね。とても濃厚な時間を過ごせたと思っております」と、表現者として成長した手応えを語った。きっかけは、音楽家でドラマの曲を担当した富貴晴美さんとの出会いだった。

「私のコンサート終了後、突然ステージに上がってこられた富貴さんが、『来年、あるドラマの音楽を担当することになり、歌ってほしいと思っています。また、シマ唄や三線、竪琴の事も教えてほしい』と、熱く語られたのです。当初は、それが大河ドラマのこととは知らず、びっくりで、正直不信感を抱きましたね(笑)」。

やかてレコーディング。そして本番の直前に「音楽に詞をつけましたのて、方言に直してほしい」とアンナさんの唄声にほれ込んだ富貴さんの迫力は、すさまじかったようだ。曲に歌詞を入れるかなどを経て出来上がったのが、二つのパターン。最初からあったという。一昨年10月にレコーディングして12月に初めてテーマ曲を画面を通して聞いた。「美しい奄美の風景に、私の声が重なり合うように聞こえてきました。改めてこれは本当に私の声が流れてるんだなと感動して涙かあふれて止めることができなかった」そうだ。エバも、そんなアンナさんの声に一目ぼれした。

「2016年にスペインのヘレスで、知り合いを通じて出会いました。私が初めてセルフプロデュースしたシマ唄のアルバム『紡唄』を渡したところ、エバか聴いてくれ『アンナと一緒に作品を作りたい』との話を頂きました。それからクリエイションを重ね、エバか奄美を訪れて自然や文化、そして八月踊り、六調を体験した中で、今回の作品が完成しました」

そして既にこの1月には、フランスのニームで開催された「フラメンコ・フェスティバル・オブ・ニーム2019」で、公演。現地のマスコミに「エバのそばには、極東から来たもう一人のスターが同じ熱を持ち響き合う。無尽の能力を持つ声、ヒマラヤ山脈並みの高音も大胆に放ち、思い掛けない楽曲の難しささえ楽しみ尽くす」と大絶賛され、「この舞台は、里アンナによるところも大きい」とまで評価された。その声を海の向こうまで響かせているアンナさんは、「エバとの舞台は、常に新しい発見があります。シマ唄の可能性をどんどん広げていきたい。それが私の使命ですから」と、東京での大舞台を前に目を輝かせている。エバ・ジェルバブエナの最新作「Cuentosde Azucar~砂糖のものがたり~」の公演は、3月22~23日まで東京国際フォーラムホールCで、26日は大阪森ノ宮ピロティホールで開催される。新しいアンナさんにも出会えそうだ。問い合わせは、サンライズプロモーション東京0570・00・3337(10時~18時)